STORYあらすじ
世界恐慌を脱出し、人々が再び自信と活力を取り戻し始めた1930年代初頭のアメリカ。ブロードウェイの劇場街に活気が漲り、そのネオンは、道行く人々を魅きつけていた。
舞台演出家兼プロデューサーのオスカー・ジャフィ。華麗で非情、そして誇大忘想気味の彼は、かつてはブロードウェイの花形だった。しかし現在は、多額の借金を抱え、シカゴの荒れた小さな劇場で芝居を打っていた。
オスカーは、マネージャーのオリバー・ウェッブと宣伝担当のオーエン・オマリーという腹心と共に、世界一と謳われる豪華客室を備えた高級列車「特急二十世紀号」に乗り込み、オスカーの元恋人であり、現在はハリウッドの大女優リリー・ガーランドに偶然を装い会う計画をする。
過去に主催したオーディション会場で、リリーの才能を見抜いたオスカーは彼女を口説き、そして大女優に育て上げることに成功した。彼らは数年間、恋人として甘い生活を送ったが、オスカーの独占欲と嫉妬に耐え切れなくなったリリーは映画界に転身。その彼女を再び自分が手掛ける舞台に立たせることが、今のオスカーの目論みだった。
数年ぶりに彼の前に姿を現したリリーは新しい恋人、若き映画俳優のブルース・グラニットを伴っていた。しかし、リリーは、そんな彼に満たされていた訳ではなかった。仕事の面でも映画に飽き、舞台に戻ることを考えていて、ブロードウェイからの誘いに乗るためニューヨークに行く途中である。
オスカーは彼女を執拗に口説いたがリリーは首を縦には振らず、またしても窮地に立たされたが、そこへ天から降って湧いた話が持ち上がった。何と彼の芝居のスポンサーになろうという人間が現れたのだ。レティシア・プリムローズ。製薬会社の会長である。ようやく、リリーとオスカーの新たな旅立ちが始まるかに見えたのだが……。